その時、沙和がニヤリと笑うのがわかった。


「そんなの、教えるワケないじゃん」


「お前はまたも私を苦しめるのか!」


「うるさいな! もうとっくに死んでるくせに!」


沙和が再びナイフを振り上げようとする。


それから逃げるように、おつねの顔があたしの体を引っ張った。


転げるようにしてその場から後退するあたし。


「ちょっと待って! あなた沙和のことを知っているの!?」


「あいつは半吉の祖先だ。私を殺した男の1人の、祖先だ!」


おつねが叫ぶ。


あたしは愕然として沙和を見た。


沙和は雄生に取り押さえられながらも、こちらを見てニヤニヤと笑顔を浮かべている。


「沙和ならあなたの顔を埋めた場所がわかるんだね」


「きっとそうだ。それなのに、あの女は……! なにもかも知りながらあの女は私を利用したんだ!!」