『あなたのためならこの力なんて捨てる。』
『それでお前はいいのか?』
『えぇ、あなたを愛しているから。』
「はぁ。お前棒読みすぎ。俺が練習付き合ってあげるっていってんのにお前はなんなの?
こんな毒舌でやる気のない颯と劇の練習中です。
私だってこんなやつと練習したい訳じゃないの。
本来のロイト役の藤本くんは、本番2週間前に関わらず、インフルエンザにかかってしまった。
それで、俺がやってあげると言われ、今の状況なのだ。
スゴい季節外れなインフルエンザだなと思いながら、パレンドタウンのウイルスハンターがスゴいなと感じた。
颯にお説教されていると、下校時間10分前の放送が流れた。
私は帰える準備をして、道具を片付ける。
「練習付き合ってくれてありがとう!」
颯にお礼を言って帰ろうと、ドアを開けた。
「練習じゃなくても、付き合ってやるよ。」
颯の声に足を止める
「ん?他に頼むことはないよ?」
もしかして、颯があるのかな?
「そうじゃなくて、お前の彼氏になってやるっていってんだ。」
そ、それって...
「な、何それ、告白してるみたい。」
恥ずかしくて、したに向いてしまう。
「見たいじゃなくて、してんの。」
...!でも、私、颯の事よくわからない。
「...。ごめん。颯の事よくわからないし...。」
傷つけないように断ったつもりなんだけど、大丈夫かな。
「そんなの分かってる。だから俺と勝負しよ?」
勝負...?って何をするの?
「俺が絶対お前の事、落としてやる。覚えておけよ?」
「な、なにそれ...//」
そんなこと言われて照れない女子なんていないでしょ。
絶対私の顔赤くなってる。見なくても分かった。
「で?この勝負するか?しないなら...」
「しないなら何よ?」
「ん?今お前にキスする。」