「……1位がうちで2位が君のクラスか。
今のところ、走力は同じみたいだね」


レースの状況を見ながら言うと、彼は明らかに嫌そうな顔で舌打ちをする。


「ぜってぇ勝って、お前と柑菜の関係を聞き出してやる」


「うーん……本当はさっき教えてあげようと思ったんだけどな……」


スタートラインに立って後ろを振り返れば、
佐城さんが段々と近づいてくるのが見えた。


「……逢田くんは、いつから佐城さんのことが好きなの?」


「えっ!?なんで知って……!?」


「え……まさか、それで隠してるつもりだったの?君のあの態度じゃ、好きだと公開してるようなものだよ」


「ぐっ……小学生の時から、ずっとだよ……」


顔を赤く染めて言った彼に、俺はわかりやすく目を見開く。