「お前、渡利祐樹だよな」
俺の目の前まできた彼は、いつかの草むしりの時に佐城さんが幼なじみだと言っていた人だった。
ほどよくついた筋肉と、日に焼けた褐色の肌がよく似合っている。
あの時は気づかなかったが、こうして近づくと意外に爽やかな顔立ちだとわかって、彼女は面食いだったのかと思った。
「えっと、俺に何か用?」
彼が俺に話しかけた理由がわからなくて尋ねれば、彼は眉を寄せて答える。
「お前、最近よく一緒にいるよな」
「え?」
「……柑菜(カンナ)と、一緒にいるだろ」
「柑菜………あ、」
彼の言葉を反芻すると、さっきまで一緒だった彼女のことが思い出された。