【青・中編・画】「marriage」我関せずの赤面症

シニアチワワなので、手術の成功は50%の確立だと言われた。

緊急オペが必要なので、今晩おこなってもらう事になり、動物病院に忠犬を残すやりとりが、生態との最後の覚悟をした。

誰にでも愛嬌がある忠犬なのだが、私が教えたボス犬の在り方を忠実に守って、ちゃんとボス犬面していた。その事は、私にとって「ときめき」の様に大切な事だった。

私は他の忠犬達が、愛しあう事に異論ははさまなかったが、その忠犬だけは、その番で、すまいりーの同僚の、手術をした「ちゃはつ」と同じ鼠径ヘルニアと、診断されて泣いてた、本当は臍ヘルニアの忠犬の「受け」ではなく「攻め」でないと耐えられない精神構造をしていた。だから心が悲鳴をあげていた。

どうしてそれが、今生の別れでないと言えるという自問自答を続け、夜をあかした。

その悲鳴を、すまいりーは、ようこさんの母づてに知ったらしい。
愛犬達と呼びたく無かった忠義な彼女達は「寂しい」と訴えていた。
翌日、動物病院に電話すると、今はまだ生きてる。多分手術成功だから、面会に来てやってほしい。此方も寂しがっているとの事で、ぶっきらぼうな実妹が、なるべく早い内に引き取りに行くよと急かすので、不安を抱きながらも面会に行った。そして「くーくー」鳴く彼女を、その日の内に実家に引き取る事になった。手術の痕を番の犬が舐めないか心配だったが、寂しさを埋めるだけにとどまり、ペアで仲良く闘病してくれた。

その忠犬を失いかけた事、に声なき悲鳴をあげていた私を、すまいりーは観察していた。
私はすまいりーからゆいちゃんを奪った。すまいりーは私を憎んでいた。私はお金が欲しかった。
まるで、私はアンドラゴラスで、すまいりーはヒルメスだと思っていた。

だから、すまいりーに連絡をした時に、子宮ちくない症の忠犬を亡くす前に出来る事を優先しないと、私が一番狂ってしまうのだからな。と、怒鳴ってくれた。

私が一番大切な命はその忠犬だろうと。

それは事実だった。
私に体温を与え声をかけ、言葉を聞いてくれ、一緒に活きてくれるのは、近所決闘しかできない、私の大切にしてる第六感を、捨てれない私には、忠犬達しかいなかったのだから。
完璧に「フラれた」以上、私は私が後悔しない様に、去って行こうとする日本語と格闘する為に、テレビを私にとっては沢山見た。そしてフィギュアスケーターに恋をした。なのに「ときめき」で、おかしくなりそうなテレビ放送の日時に、すまいりー(本当はようこさんの母のリクエストと推測)が、割り込んできた。ドキドキしていた私が、無理矢理に鎮火させられたので、怒り狂いながら、すまいりーの仕事を見てみた。そしてその大切な「戦友」という肩書きをくれた。
私が、すまいりーの戦友?
すまいりーに悪すぎるので、私は、かなり嬉しかった。
彼に恋心を無くした私に「背中を預けれる」「言葉さえ要らない阿吽」の戦友の称号は、嬉しくておかしくなりそうだった。
そして私は「お涙頂戴」と、すまいりーに罵られながらも、忠犬達が幸せに私と暮らせるお金にするからと、慰謝料の督促を続けた。「戦友」は嬉しかった。でも、実妹のダチの家の愛犬達の飼い方に比べると「虐待」と罵られる忠犬達に私がしてやれる境遇が、絶対に改善せねばと、焦っていたが、アンガーマネージメントを止めず、すまいりーにお金のむしんをした。
入院前の境遇(プラズマクラスター完備のキッチン床の忠犬達専用の部屋)に忠犬達を戻してやりたかった。
私は家族に、すまいりーの戦友行動する間があれば、忠犬達を世話しろ。捨て犬扱いがと、罵られた。だが、肥満と犬らしく生かす為に、去勢をしていない忠犬達を発情させたくなかったし、日本語は私から去ろうとするし、スケーターを私の悪夢に巻き込みたくなかったし、お金さえあればと、一生懸命アンガーマネージメントした。

そんな時、すまいりーは私に「いつかお前は俺を嫌いになる」と言い出した。

「恋女房」ではなく「戦友」をと?、その時の私は理解しないまま、時を過ごした。
私は心情では愛する家族では無い為に、他の愛しあっている家族の団らんや寝室にあてがわれている、テレビのある居間に居られる時間が限られていた。全フィギュアスケーターも、すまいりー達同様に、続柄、家族に忌まわしい人物とされていた。
性欲に漬け込む卑しい職業の人達と。私が要求不満の最低野郎だと、毎日毎日、無言で蔑まれていた。
グッズを購入させるメンタリズムに踊らされてるだけだ、バカ野郎という扱いだった。

私は何もかも忘れるので、テレビ視聴を制限されるのが、苦しい生き方を強いられていた。
すまいりーは「いつかお前は俺を嫌いになる」と言い続けていた。

その言葉を不思議にしたまま、私は、すまいりーの同僚にも好意を抱き出していた。

すまいりー達の仕事を楽しみにしていた。楽しかった。

ダチに対する意識が辛かったので、手のり桜文鳥のりっぴーと実妹の半分手のりのワイルドフィンチ以外に、こんな暖かい気持ちをするのが、久しぶりだった。この六感を大切にしているあまりに「近所決闘」から卒業出来ない私が、努力のカタマりのカッコよく美しい彼等の反応をテレビで見ながら楽しんでいた。
そんな中
真実を吐かれた。

「※※」
(作品掲載ポリシーに殉じ伏せ字)

と、言うことは……

「可愛い」と言われたのは「子供より簡単」に勝てる弱者で、「好意」は微塵もない。そして「シナリオ」を読んでいるだけだよというのは「本音トーク」は微塵もないという事だ。

だから「なんて作品掲載ポリシー」な日本語しか吐かないんだと悲しくなった。

彼の言葉どおり「彼を嫌いになる私」が、彼に必要とされた私達の形だったのだ。