~柊馬side ~

「こうして王子様と白雪姫は幸せに暮らしました。おしまい」

「ありがとう!白雪姫!」

「うん」

結姫は子どもたちへの読み聞かせを再開した。

しかし彼女体調は悪化していき病室で読み聞かせをするようになった。

「まるで白雪姫と柊馬お兄ちゃんみたいだね!」

そう言って子どもたちは無邪気に笑っている。

「そう?」

と結姫は冷静にこたえた。

「それは嬉しいなあ」

と俺は嬉しさを隠すように余裕なふりをした。

と、突然結姫がこちらを見たので俺はあわてて笑顔をつくった。

にやけているのがわからないように。

すると子どもたちが

「白雪姫がいるなら柊馬お兄ちゃんは王子様だ!」

「じゃあ、これからは王子様だね!」

「えっ?」

その言葉に驚いた。

学校で王子と呼ばれているせいでその言葉に敏感に反応してしまうようだ。

まったく......

すると病室のドアが勢いよく開いた。