「で、凛子はどの登場人物なんだ?」

いきなりそうきりだしたのは柊馬だった。

「えっと......」

そこまで考えていなかった。

すると

「魔女と毒りんごだろ」

と大輝が何事もなかったかのように平然と言った。

みんながかたまる。

もちろん、私と柊馬も。

バシンッ

ものすごく痛そうな音がした。

みさとが大輝の頭をおもいきりたたいたのだ。

「いってえー!」

大輝の声が響く。

「なんで、そんなにデリカシーのないこと言うの!凛子がかわいそうでしょ!」

「だって今までの出来事考えたら絶対そうだろ!それともお前が魔女になるか?」

「それはいや!」

「みさとも結構ひどいこと言ってると思うよ......」

「うん」

「たしかに魔女と毒りんごはいやかも」

「悪役だもんね ~」

みんながまた騒ぎ始める。

「私、魔女でも毒りんごでもいいよ」

「えっ?」みんなの声がかさなる。

「だっていろいろひどいことしちゃったし......」

「それはいいの」

「それに私の名前、凛子だからりんごみたいじゃない?だからいいの!」

凛子の言葉に「そ、そう?」とみんなてま戸惑ってしまった。

「お姉ちゃんすっごく綺麗だから美人な魔女さんなんだね」

「うん、うん」

子どもたちの言葉で周りが一気に明るくなった。

「なるほど!」

「それならいいかも!」

「ありがとう、みんな」

凛子は嬉しそうだった。