~柊馬side ~

「柊馬、今日俺たち結姫のところに行くんだけどお前も来るだろ?」

大輝が昼食を食べながら楽しそうに言った。

結姫.......

彼女の名前に戸惑った。

本当は行きたい。

けれど結姫にはもう会わない、そう決めた。

『もうあなたには会いたくない』

あの時の彼女の言葉が忘れられない。

彼女がどれだけ苦しんでいたかなんて考えていなかった。

なんで気づいてやれなかったんだろう。

本当に俺は最低な人間だ......

あの時の後悔が蘇ってくる。

「柊馬?」

気がつく俺はうつむいていた。

「悪い、俺、部活あるから」

そう言って弁当を片付けると、逃げるようにその場を立ち去った。

「おい!柊馬!」