カーテンの隙間から差し込む朝の光に照らされて目を覚ました。
私のベットは窓側。
周りを見渡すとみんなまで寝ている。
カーテンをゆっくりと開ける。
まぶしい夏の太陽の光が一気に差し込む。
窓の外にはいつもの朝の風景が広がっている。
忙しそうに走り回る看護師さん。
ラジオ体操をする元気なおじいちゃん。
太陽に向かって咲くひまわり。
うるさいほど大きな声でなくセミ。
これが私の病室から見える夏の朝の風景だ。
隣のベットを見ると友だちのつぼみがまだ寝ている。
「おはよう、結姫」
そう言って病室に入ってきたのはお母さんだ。
お母さんは毎日のようにお花を持ってきてくれる。
「おはよう、お母さん」
私がそういうと、お母さんは笑いながら昨日の出来事を話し始めた。
お母さんは仕事が忙しく、朝にしか病院に来られない。
お父さんは仕事で海外にいて2カ月に一回会えればいいほうだった。
「結姫、そろそろお母さん仕事に行かないと」
「うん、いってらっしゃい」
「うん、行ってきます」
そうお母さんは笑顔で言うと手を振って病室を出て行った。