「メリークリスマス!」

今日は12月24日、クリスマスイブ。

「1日はやいけど許してな、結姫」

「いいの」

今日の病室はとてもにぎやか。

みんなが来てくれたのだ。

「今年のクリスマスプレゼントはなんだろ」

大輝のいきなりの言葉にみんなの頭に〝?〟がうかぶ。

「え、大輝、高2にもなってまだプレゼントもらってるわけ?」

「おう。毎年まくら元に置いてあるぜ」

「うそでしょ.....」

彼の言葉にみんなあぜんとする。

「サンタっていいやつだよな ~」

「幸せなやつ」

「ほんと」

「逆にすごい」

「てかやばい」

「子ども.......」

とみんなが呆れたように口々に言った。

「お前らはいい子にしてないからもらえねえんだよ」

「ったく、サンタの正体くらいわかるでしょ?」

「え?お、お前らは知ってんのか!?」

「うん」

みんなが同時にうなずく。もちろん私も。

「ほんとバカね。だから女子からモテないのよ」

「な、なんだと!みさと!」

「うるさい、ほんとのことでしょ」

「お前もゴリラみたいだからモテないんだよ!」

「誰がゴリラですって!」

みさとが大輝に殴りかろうとする。

「みさと落ち着いて!」

愛梨と良子がみさとを必死に止めている。

つぼみは戸惑っている。

昴は知らん顔をしている。

みんなはいつもと同じように騒いでいる。

でもその中に柊馬の姿はなかった。

「柊馬の野郎、いきなり来れないとか言いやがって」

「え?」

「せっかくみんなで結姫に会えると思ったのに」

「しょうがないでしょ、部活なんだから」

そうなんだ......

なんだか寂しい。

会いたかったな......

「でも、明日なら来られるみたいだからきっと明日は来ると思うよ」

「え?」

「やったね結姫ちゃん!柊馬くんと一緒にクリスマス過ごせるなんて!」

と私の手を握ってつぼみが嬉しそうに言った。

嬉しい......

クリスマスを柊馬と一緒に過ごせるなんて。

なんだか夢みたい。

明日には柊馬に会える。

そう思うだけで明日がとても楽しみになった。

だからみんなが帰った後のイブの夜も寂しいという気持ちにはならなかった。