~結姫 side ~

季節は変わり冬になっていた。

窓の外は真っ白だ。

朝の風景も夏とは全く違う。

でも雪で楽しそうに遊ぶ子どもたちや元気にラジオ体操をするおじいちゃん。

夏と変わらない風景もあった。

今は12月。もうすぐクリスマスだ。

病院の中には大きなクリスマスツリーが立ち、クリスマスソングがきこえてくる。

子どもたちはサンタさんが来るのを楽しみにしている。

「私はぬいぐるみをお願いしたよ!」

「僕はゲーム!」

私が絵本を読み終えると、子どもたちは嬉しそうにプレゼントについて話し始めた。

「白雪姫は何をお願いしたの?」

「えっ?」

クリスマスプレゼント.....

今まで考えたこともなかった。

今欲しいもの?

絵本、洋服、靴.....?

とくに欲しいものは思いつかなかった。

ただ、みんなに会いたい。そう思った。

「白雪姫?」

子どもたちが不思議そうな顔をしている。

「あ、ひ、秘密」

そう私は笑ってごまかした。

「けちー」

子どもたちはつまらなそうに言った。