初めてだから緊張する……

恐る恐る私は銃をかまえひきがねをひいた。

パンッ

玉は見事にクマのぬいぐるみに命中した。

やった!

これ持って帰ったらきっと子どもたちよろこぶだろうな~

そう私がうかれていると

「それよりお2人さんはカップルかい?」

とお店のおじさんが私たちをちゃかすように言った。

「ちがいます。友だちです」

柊馬が冷静にこたえた。

「そうかい」

とおじさんは残念そうに言った。

なんだか柊馬の言葉を聞いたとき、胸がズキンと痛んだ。

「結姫?」

柊馬は不思議そうにこちらを見ていた。

なぜだか彼を見るのがつらかった。

私はごまかすように

「みんなを探そう」

そう言って歩き出そうとした。

「まて」

するといきなり彼に手を掴まれた。

「誰かさんがまたどこかに行ったら困るからな」

そう言って彼は笑うと私の手を優しく握った。

「うん……」

私もそっと彼の手を握り返した。

心臓の鼓動が速くなる。

なぜだろう……