「こうして王子様とお姫様は幸せに暮らしました。おしまい。」
そう言って本を閉じた。
「もっと読んで!」
「他のお話しも読んで!」
「お願い、白雪姫」
白雪姫。それは子どもたちが私につけてくれたあだ名だ。
見た目が絵本の白雪姫に似ているからだという。
「白雪ちゃん、そろそろ薬の時間だから部屋に戻って」
いつものことというように呆れた顔で看護師さんが私を呼びに来た。
「またね~」
そう言って子どもたちが手を振っている。
私が笑顔で手を振ると、子どもたちは中庭に走って行った。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…