夕方になり、私は病室の窓からオレンジ色の空を眺めていた。
「結姫」
「良子」
良子は病室に入ってくると
「聞いてよ!結姫!」
「な、なに?」
大声でそう言うと良子は私の机に勢いよくバンッと手を叩きつけた。
「良子、もう少し静かに」
周りを見ると同じ病室の患者さんが驚いたようにこちらを見ている。
良子は家が近く入院する前はよく遊んでいた。
彼女は私の親友なのだ。
「ごめんなさい、うるさくして」
私がそう言って謝ると
「いつものことじゃないか」
「若いっていいのう」
「気にしなくていいよ」
と優しく患者さんたちは言ってくれた。
「すみません」
もう一度謝ると良子の方を見た。
「ごめん、ありがとね結姫」
「あ、大丈夫」
良子は申し訳なさそうに言った。
「それよりどうしたの?」
「あのね今日、学校で……」
こんな感じで良子は毎日病室に来ると学校の話をたくさんしてくれる。
それは楽しい話から愚痴など様々だ。