「で、凛子はどの登場人物なんだ?」
「えっと......」
「魔女と毒りんごだろ」
と大輝が何事もなかったかのように平然と言った。
みんながかたまる。
もちろん、俺と結姫も。
バシンッ
みさとが大輝の頭をおもいきりたたいた。
「いってえー!」
大輝の声が響く。
「なんで、そんなにデリカシーのないこと言うの!凛子がかわいそうでしょ!」
「だって今までの出来事考えたら絶対そうだろ!それともお前が魔女になるか?」
「それはいや!」
「みさとも結構ひどいこと言ってると思うよ......」
「うん」
「たしかに魔女と毒りんごはいやかも」
「悪役だもんね ~」
みんながまた騒ぎ始める。
「私、魔女でも毒りんごでもいいよ」
「えっ?」凛子の言葉にみんなの声がかさなる。
「それに私の名前、凛子だからりんごみたいじゃない?だからいいの!」
みんなが戸惑う。
凛子が無理して笑っているように見えたからだ。
「お姉ちゃんすっごく綺麗だから美人な魔女さんなんだね」
「うん、うん」
子どもたちの言葉に凛子の笑顔が明るくなった。
「なるほど!」
「それならいいかも!」
「ありがとう、みんな」