そこに立っていたのは凛子だった。

「凛子さん......」

「凛子......」

病室内が一気に静かになる。

みんなが凛子に冷たい言葉をぶつける。

「ただ謝りたかったの...私はその子をとても苦しめてしまった...だから......」

凛子の涙が床に落ちる。

「顔をあげてください」

「結姫?」

彼女の顔は涙でくしゃくしゃになっていた。

「凛子さん、私はあなたが憎い」

結姫......

結姫の口から初めて凛子に対する本当の気持ちを聞いた。

「だけど、人を好きになると周りが見えなくなってしまう。私は凛子さんの気持ちがわかった」

「え......」

結姫は胸に手を置き

「だから......私はあなたを許します」

と優しく凛子に語りかけた。

みんなが驚いたように結姫を見る。

「ありがとう、結姫さん......」

「結姫って呼んで」

「ありがとう、結姫......」

「私のことも凛子でいいから......」

2人が笑顔で話している。

こんな風に笑っていられるのは結姫の勇気と優しい心があったからだ。