桜の花が綺麗に咲く4月。
私が1番好きな季節だ。
私の名前は、小川とあ(オガワトア)。
さくら第五中学校に通う1年生。
私の通う中学は3つの小学校が集まってひとつになるため、知らない人も多い。
「おはよー!とあ!」
「おはよう!柑奈!」
彼女は幼稚園からの友達の伊能柑奈(イノウカンナ)。
両親ともに教師をしていて、お姉さんも地元じゃ有名な進学校に通っている。頭もよく、責任感もあり、スタイルも良いのに気取らない。まさしく、完璧な女の子。
「わぁ。今日もかっこいいな。俊輔くん。」
「ほんとに好きだよね。坂木のどこがかっこいいのかわかんないなぁ」
坂木俊輔(サカキシュンスケ)は、同じクラスの男の子。
柑奈の好きな人で、サッカー部。
私の隣の席。小学校はちがう。私には、いまいち坂木のかっこよさはわからない。
「ほんと、とあは羨ましいなぁ。俊輔くんと隣で。」
「別にいいことなんてないよ?それに柑奈の斜め後ろでしょーよ!」
「そーなんだけどさぁ。なんなら、後ろが良かったなぁ。後ろからならいくら眺めてても大丈夫でしょ?」
「まあ、そーだけど。って、時間やば!ごめん!柑奈、先行く!部活遅れちゃう!」
「はいよ!頑張って!!」
「うん!柑奈も、頑張って!」
「うん!ありがとね!」
私は、剣道部だ。ちなみに、柑奈はバレー部。私ははじめ、剣道なんか興味なかったんだけど、新入生歓迎会の部活発表のときに剣道を見た時、とってもかっこよくて、反対する親を説得して剣道部に入部した。
剣道部は、3年生5人。2年生2人。1年生が私を含め3人。
女子は3年生に1人と1年生に2人。
たったの、3人だ。
3年の坂本茜(サカモトアカネ)先輩は、とても面倒見の良いかっこいい先輩だった。
「おはよ!とあ!」
「おはよー!愛ちゃん!」
彼女は同じ剣道部の榎本愛(エノモトアイ)。
彼女も、幼稚園からの友達で同じ剣道部。性格は悪いと思う。私は苦手。
「今日、ランニング5周と基本練習だってー。」
「わかった!」
部活はあっという間に終わった。
好きなことをしてるから、部活の時間はいつもあっという間に終わってしまう。
(もう少し長くならないかなぁ)
そんなことをおもいつつ、朝の読書に間に合うよう急いで着替えを済ませた。