職員室を出て、元きた道を戻っていく。



いらいらしてしょうがない。


こんな自分が嫌でたまらない。



「島内!」



後ろから名前を呼ばれまた城野先生かとうんざりして振り向くとそこには



「…平田先生」



「よっ!おーおーすげえ、怒ってんじゃん」



ニヤッと口角を上げて笑うその人を軽く睨む。



「怒ってないし」



「ははっ、お前は表情に感情があんま出ないから他の奴らはあんま気づかねえだろうけど、俺にはわかんだよ
まあ、その気持ちもわかるけどな、あんな頭ごなしに怒られちゃあ腹立つわ」



「あの人嫌い」



「俺も大っ嫌い」



教師のくせして、同僚のことを嫌いだとあっけらかんというその人を好きか嫌いかでいったら好きかもしれない。



うるさいけど、無駄に騒がないし。



面倒くさいけど、入ってきてほしくないとこまでは踏み込んでこないし。



ほんの少し大人だなって感じる。



その辺の男子とは違う。