しばらく無言になって、私は飛鳥とスケッチブックを交互に見ながら手を動かす。



飛鳥は地面に座り込んで、柵にもたれかかっている。



虚ろな瞳はどこか遠くを眺めていてこちらを見ていない。



何度見てもその美しさに慣れることはない。



引き込まれて引き摺り込まれてゆく。




「…手ぇ止まってんぞ」



ハッと手放しかけてた記憶を取り戻すと、飛鳥の視線はこっちに向けられていて、



私はずっとその姿を見つめていたみたい。



「ごめん、あまりにもかっこよすぎて」



「…反応に困るからやめてくんない」



照れているとも怒っているとも言えない微妙な表情でまた視線をそらされる。



「私嘘とかつけないんだよね。正直すぎて困っちゃう」



「見てたらわかる」