「授業遅れたことと、部活休んだことは関係なくね？
そういう風に頭ごなしに怒ることしかできないから生徒から嫌われんだよクソジジイ」



急に透き通った声が教室の後方から聞こえて来た。



瑠衣だ。



机に肩肘乗せて顎を手の上に乗せ、嘲笑うかのように先生を見ている。



みんなの集中がそっちに移り、先生はゆでダコのように顔を真っ赤にして拳を震わせている。



予想していなかった怒りに言葉が出てこないようだ。



そして急に窓が揺れるような怒鳴り声が響いた。



「その口の利き方はなんなんだ！！
お前のせいで、周りも悪い方に流されているんだ！
お前のような生徒を待って本当に恥ずかしい」



「そうやって世間体しか考えられない、上辺だけ教師が偉そうに説教してんじゃねえよ」




ゴミを見るかのような目で吐き捨てるように言い放った瑠衣。



みんなが言えないことを言い淀むことなくサラリと言ってのける姿はかっこよくて見惚れてしまう。



みんなが憧れを含んだ視線でみつめている。