「いいよ。モデルになってやるよ」



「ほんとに!?」


思わず身を乗り出して聞き返すと、納戸くんはほんの少し口元を上げた。


「だけど、俺がここにいるのは昼休みだけだからな」



あ、そうなんだ。


というか…


「納戸くんって何者なの?」



「飛鳥でいいよ。
だから、さっきお前俺のことなんも知らねえだろって言っただろうが」



「その時はあんまり気にならなかったんだけどさ。だって、飛鳥くん。制服着てるんだから生徒だよね?でも私今まで見たことないんだけど」



「飛鳥ね。俺は生徒だよ」



「じゃあ、飛鳥は幽霊なの?」



「お前がそう思うならそうかもな」



馬鹿にするように声を出さずに笑いながらそう答える飛鳥。