部室の開きにくいドアを力を込めて引くと耳障りな音が鳴る。



その音を聞いた中の人たちはこっちを見る。



「ああ〜部長きたあ、ねえ、ここ汚れてんだけど?掃除してよ〜」



「雑用ばっかで大変だよね、部長って〜」



「仕方ないっしょ!島内さんは期待の天才なんだからそりゃあ部長に選ばれるって〜」



ドアの音より耳障りなハイトーンなこの声の持ち主の彼女たちは、台の上に腰掛けてお菓子を食べている。



彼女たちは、平田先生を追っかけて美術部に入部してきた二年生。



なんだけど、何故だか私への風当たりがきついような気がする。



何か悪いことをしちゃったのなら謝るけど、全く心当たりがないもんな。



美術も全く興味ないみたいで、ふらっと部室に来ては散々お喋りして帰って行く。



あんまり好きじゃない。



ため息をついて、ほうきとちりとりを取り出してさっとほこりを取る。




「まじでウザい」



「男子が騒ぐ理由が全くわかんないっつの。どこが可愛いんだよ」



ボソボソと後ろから話し声が聞こえてくる。



私の話かな、なんて気にしちゃって、そんな弱い自分が嫌になる。