辺りは人気がない。

そんな中、1つポツンと建っている倉庫がある。



シャッターの隣、扉があった。



ーガチャ



ん?

開いた…てっきり開かないと思ってたんだが。



引いて入り、開けたまま進む。



室内はシャッターの先と繋がっていて、応接の為かイスと机があった。

机の上には灰皿やタバコ、指で摘める程度の小さいピンクや紫の紙袋がいくつか…。



…この時点で、怒りが湧いている。



人が通れる通路はあるものの狭く、続くドアがある。



それに手を掛けた時。



女の苦しそうな声と、男の下卑た笑い声や唸り声が聞こえた。



そして…

「辞めろっ…触んなって!」



和夜の声がした。

息が荒く、焦るような大声。



続く男の下卑た声が耳に入って来た時、扉を開けた。



静かにすんなり開いた扉、

中に見えたのは予想できたものであり、真っ先に目に入ってきた

下半身を出した男に襲われる和夜。



ーヒュンっ

「ギヒヒッあ〜想像するだけでイグハアッ!」



見た途端、動いた。

移動して、背後から男の脇腹を勢いを殺さずに蹴る。



見事に視界から消えた男。



「んだぁ?っておい、何だお前っ…」



振っていた腰を止めた男。

相手の女はボロボロで、既に気絶していた。



繋がってるからな…。

殺気で気絶させることにした。



ージロッ



「ヒィっ!?」

ーバタンっ



倒れたのを聞いて、すぐ。

和夜の前に立つ。



「ハァッ…ハァッ」



艷やかな肩までの銀髪、タレ目な赤い瞳。

華奢でか細い見た目の美少年。



いつも明るく優しい和夜だが、今は酷く小さくなっている。



襲われてたからな…。



怖かっただろう。

恐ろしかっただろう。



「アイツらのために、頑張ったんだな」



頭を撫でた。

優しく、落ち着いた声音で。



「!」

ースッ



髪留めについている片翼の蝶に、預かったもう片翼をつける。



「っ…っうん…僕、怖かったよ…」



伸ばしていた腕を抱き締める和夜。



「こんなことされるなんて思わなかった…しかも、僕を狙ってたなんて尚更…」



腕を伝って、胸に顔を埋めてくる。



「姉さん…」



「…」

撫でてから運んだ。



バイクに乗せても、後ろから離れようとしない為か抱き締めてくる。



「家に帰ってからだ」



「うん…」



そうして走り出した。

バイクは途中、さっきの友達らとすれ違いになったが止まらずに家に帰った。



追い掛けて来る音がしたが無視し、

屋敷の門の所で隠月が門を開けていたから止まらずに入れた。



「お帰り。ここは私が受け持つよ」



「そうか、ありがとう。あとただいま」



「うん」



そんな会話をして、私はバイクを止めて和夜を屋敷に運んだ。


あれから夜が明けた朝。



…眠い。



布団の中でそう寝ぼける私をよそに、静夜は話していた。



内容は昨日の和夜の友達らがしつこいこと。

隠月が対応してるけれど…



「彼らはお礼と話を聞きたいって」



話し終えた静夜は私を見下ろしていた。



静夜。

隠月の双子の弟で、水色掛かった銀髪黒目の美男子。



「どうする?」



性格は基本的クール。



私の上の兄2人。

上の幻夜、下の琥珀の内、静夜は幻夜、隠月は琥珀に付いている。



幻夜兄が裏の家、琥珀兄が表の財閥。



「…」



「…一応会わないでも良いけど、そうすると和夜が気まずそうって隠月が言ってた」



ーガバッ

和夜が気まずい!?

「な…、…分かった」



何となく分かる気がして、速起き上がりそう言った。



「ホントに?」



「あぁ…」



「じゃあ服にシワ付くから、そろそろ…」

ーグイッ



布団から引きずり出される。



「…え、ちょ」



いつものことだ。

そのまま私は眠気のまま目を瞑った。


「起きて、雪永」



あの後、今と同じように起こされて朝食を取って、

身だしなみを一通り整えてからウトウトしていた私を静夜が起こす。



「…あぁ」



眠い。



立って、縁側の方に向かう。

これは日の光を直に浴びないと目が覚めなさそうだからな。



そんなことを考えて

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