ふぅ、疲れたぁ
楽しかったし、嬉しかったけど、いっぱい歩いたしドキドキさせられて疲れちゃった…
「わぁ、綺麗」
疲れたけど、目の前の景色を見ると疲れが取れていくように感じる
たくさんのいろんな色をした光が……私何人ぶんかな……?30?40?そのくらいおっきいクリスマスツリーにたくさん散らばってる
その周りにはハートの形をしたイルミネーションや星の形をしたイルミネーション
ここにはたくさんのイルミネーションがあった
たくさんの綺麗な光が散らばっていた
この絶景を……
「玲央くん、今日はありがとう!」
「ん。こっちこそ。寒いのにありがとう」
……大好きな人と見れたことが幸せ
嫌味を言われちゃったけどね!
結局、クリスマスプレゼント選びにアクセサリーショップへ見に行ったものの、学生の手には届かなそうなお値段の高いものばかりで……
私が丁重にお断りしました……
代わりにあったかそうな可愛いぽんちょを買ってもらったの!
それも十分高そうで……でも、玲央くんが優しい顔で気にしなくていいって言うから……お礼を言ってありがたくもらったんだ
私がプレゼントを渡すと、
「え?手作り?やべー。すっげー嬉しい……」
にやける顔が止まらないという様子でこっちまでにやけそうになっちゃった
手作りのお菓子で喜んでくれるんなら一週間に一回くらいは作ってあげてもいいかもね……?
「みのり」
「……ん、なぁに」
────ぎゅー
目が合ったと同時に抱きしめられた
こ、こんなに人が多いところで!
は、恥ずかしいからぁー!!!
「めっちゃ好き。大好き」
う、あ、あ……
す、ストレートすぎて、心臓が……
「ふふっ……心臓の音すごいな」
笑われた!!バカにされた!!
「だ、だって、好きな人からされたらそりゃドキドキしちゃう」
「……お前ってほんと、急にぶっ込んでくるよなぁ……」
そう言って私の頭を胸に押し付けてくる
───ドキドキドキ
あ……玲央くんの心臓の音だ
私と同じくらい速い……
「玲央くんも私の事、大好きなんだね!」
満面の笑みを浮かべて玲央くんの顔を見上げる
そこには真っ赤にして照れた顔が
やっぱりイケメンだなぁ……
「うるせー。調子に乗んなよ?」
口調は荒いけど、照れ隠しだってわかってるから怖くないもーん
相思相愛、なんてわかったら調子に乗らずになんかいられない
「玲央くん、愛してる」
「…………?!!」
目を見開いてびっくりした顔してる
ふふふ……私だってたまにはやるんだから!
それに、クリスマスだし、いいよね?
「ったく、俺のセリフとんなっつーの。みのりのくせに」
ぼそっと私に文句を吐く玲央くん
俺のセリフ……?
ってことはつまり……?
「──俺の方が愛してんだよ。幸せにしてやる」
耳元で低い声で囁かれる
うわ、やばい、ぞくってした
声までイケメンってなに……?私を殺すつもりなの……?
キュン死しちゃうよ……
手を触られて、指に冷たいものが触れる
金属状のなにか
見るとそれは、
「え、これ、指輪……?」
アクセサリーショップで思わず見とれてしまったピンキーリング
可愛かったから見つめてたら、まさかの玲央くんにバレてたとは……
ほんと、もう……
「嬉しい。ありがとう」
いつも笑顔にしてくれる
これからもこんな私をよろしくおねがいします……!
あんまりいちゃいちゃ好きじゃないけど……玲央くんのために頑張るね
俺の腕の中で幸せそうな顔をしてる彼女
ほんとにすっげー可愛いんだよ
近づくだけで顔を赤くして、手を繋いだら恥ずかしそうに口をぱくぱくさせて何かもの言いたげになって
抱きしめると心臓の音を加速させる
あったけーんだよなー
特に冬は熱が伝わってくる
キスするとどうなるかって?
……ご想像におまかせ
俺だけが知ってればいいんだよ
いつもは恥ずかしがり屋でいちゃつきたがらない
でも、俺が女の子からの注目を浴びたり、言い寄られたりすると、むっと不機嫌な顔をして睨んで……
『玲央くん、ぎゅー』
なんて言ってくっついてくる
最高に可愛い
玲央くんは私ものって言われてるみたいで嬉しくなるんだ
みのりと付き合い出してからの口癖は可愛いになったと思う
こんなに可愛い女見たことねぇ……
ベタ惚れ
まさに今俺はこの状態
ぽんちょも指輪も高校生にしては値が張るけど
そんなん全く気にならない
好きな女にはなんでもあげたくなるじゃん
いつの間にか雪が降り始めてて、かなり寒いけど
これも全く気にならない
ホワイトクリスマスに大好きな女とイルミネーションを見れた
その事実が嬉しくてたまんねぇ
「みのり」
────ちゅ
人目なんて気にしてられねぇよ?
愛おしいって、欲しいって思ったんだから止まんねぇ
彼女の柔らかい唇に自分の唇を押し付ける
「んー!!ちょ、ちょっと!んっ」
うっせ。声出すな
まぁ、可愛いから許すんだけどな
どうせ、恥ずかしい、だろ?
みのりには悪いけど。そんなん知らねーよ
この綺麗な場所で俺は彼女と触れ合ってる。キスしてるんだから
最高の思い出作り、だ
ふっ⋯⋯。みのりのやつ、息止めてやんの
ったく、ほんとアホだな
「……っはー!!」
「愛してるよ、みのり」
唇を離すと勢いよく空気を吸い込んだ彼女に視線を合わせて告げる
俺の気持ち。伝わってるか?
顔をまた真っ赤にさせて口をぱくぱくさせてる
何か言いたげだけど言葉にならない
みのりがいつも俺がちょっと激しめのスキンシップをするときにする行動
……嬉しがってるんだよなぁ……恥ずかしがってる割に
気持ちが伝わってるみたいでよかった
来年も再来年も、一緒にこの景色、見ような
ずっと俺の隣にいろよ
そんな気持ちを込めて、俺はもう一度、自身の唇でみのりの唇に触れるのだった
.*・゚Fin.