「あんたさえ生まれて来なければよかったのに」

そう言われたのは、小学六年生の頃だった。
そのときの私は、突然性格が変わった母に対してどうしようも無く、ただ我慢してた。
父が亡くなってから、母に新しい彼氏が出来て私が邪魔になった。だから、私の母は、私を殺そうとした。

そのせいか、私は人に対して信用がなくなり、人間不信になった。中学に上がった頃、私はほかの人とうまくやっていけず、学校に行けなくなった。
その頃だった。母の彼氏が私に性的暴力を振るい始めたのは。辛かった。でも、誰にも助けを求めることが出来なかった。母に、そんな姿を見られた時、自分よりも性行為をされてる事に腹を立てた母は、私に暴力を振るうようになった。

久しぶりに学校に行った。家にいたくなかった。
学校では私を噂する人がいた。
母の彼氏から性的暴力を受けている。
そんな事実はあっという間に広がっていた。その日からだ。私の生活に逃げ場がなくなったのは。

学校でも家でも居場所がなくなった中3の夏。
私は、踏切の前にいつの間にか立っていた。
死のうと思った。私な生きてる価値がないと思った。
電車が向こうから来るのがわかった。
あぁ、、、もう

「散々だったなぁ。私の人生」


電車来ると同時に飛び込んだ…
と思っていた。
だが、私は生きていた。
なんで…?

「死にたかったのか?」

腕を掴まれてた。真っ黒な格好をした男の人。

「え?」

「飛び込もうとしただろ。」

状況が理解出来なかった。私は、この人のせいで今生きてるらしい。

「あなたは誰なんですか。」

「お前の救世主」

「何をふざけて…」

「お前、なんで死のうとしてた?」

私の質問に何1つ答えない人だった。

「家にも学校にも居場所がないから。」

「いじめ、家庭内暴力か…」

「…あの、そろそろ腕離してくれませんか」

「悪い。」

地味に力んでて、痛かった。

「お前、死にたいと思った原因、それに関わる奴全て殺したいと思わないか?」

「え……?」

なんていうことを言うんだろう。
この人頭おかしいって思った。そして、今更怖くなった。そう言えば、この人私の知らない人…。

「俺が、殺す方法を教えてやるよ。」

「あなたは一体何者なんですか」

震え声で言った。お願いだから、早く正体を…!

「だから、お前の救世主だよ。
そして、俺は殺し屋でもある」

驚きしかなかった。殺し屋なんて話の中でしかないと思っていた。そして何よりこんなふざけた人が殺し屋…?

「お前の名前は?」

「リサ。神崎リサ」

「リサ、俺のとこ来い。お前を一流の殺し屋にしてやる。」

「でも…」

「そんな居場所のない場所に帰るのか?」

「あっ…」

そうだ。あの家には、あの学校には、
私の居場所はないんだった。だったら、誘いに乗ってしまってもいいじゃないか。

「来るか?」

「…行く。」

「よし、じゃあ行くぞ。」

そう言われ、手を握られた。

「あ!待って!」

「ん、何」

「あなたの名前…!聞いてない。」

「あぁ…俺の名前は、遥だよ。」

「遥さん…」

「さんはいらない。」

「遥」

「うん、それでいい。」

結構歩いた。よく覚えてない。あまり知らない道をずっと歩いていた。四階建てぐらいの建物に着いた。

「ここが、リサの新しい家。そして、殺し屋が集まる場所」

「他にも居るの…?」

「そう、心配しなくても大丈夫だよ。みんな歓迎してくれるだろ」

不安だった。あまり人受けしないから、無愛想だから。


建物に入ったら、ちょうど髪の毛がピンクの女の子が出てきた。

「あれ、遥遅かったね。ん?、何その子」

耳にピアスだらけだった。指輪が凄かった。

「こいつは、リサ。俺が帰りに拾ってきた。」

「拾ってきたぁ!?何やってるの、遥」

「大丈夫、俺が世話する」

「んーならいいけどさあ」

私に顔を近づけ、ピンクの女の子は言った。

「あなた名前は?」

「あっ…リサです!」

「リサ、よろしくね。私は、リン。また話そうね!
今から仕事行ってくるわ」

「おう、行ってら」