それが、香川に、ほぼ完璧に性転換をしてくれる医者がいたと旦那は、言うのだ。

それを詳しく話してくれた後に、こう言った。

「結論から言う。俺は完璧に男になり、そして、お前に完璧に女になってもらいたい。それには、たった一つだけ理由がある」

私は、黙って聞いていた。

旦那は、続けて言う。

「その封筒の中に詳細は書いてあるが、ある映画の感想を性転換した後に、言い合いたい。それだけなんだ。そんな理由だから、お前には、性転換するのか、ゆっくり考えてほしい。もうクタクタだから、寝るわ」

旦那は、ブッキラボウニ、そう言って寝室へ行った。

私は、握っていた封筒に無性にトキメキを感じていた。

こんなんじゃ、寝られないじゃない、と。

(おわり)