クローゼットからお気に入りの赤のショルダーバックを出して、肩にかける。
「よし!オッケイ!」
『準備できた?』
「できた!」
全身鏡で最終チェックをして、私は部屋を出た。
「おばあちゃーん、行ってくるねー!」
「気をつけるんだよ。」
「はーい。」
階段をスタスタ降りて、玄関で白のヒールを履く。
おばあちゃんに挨拶をして、ガチャっとドアを開けた。
「あっつーい。」
『本格的に夏だもんな。』
「明日から8月だもんね。」
ここから芽衣との待ち合わせ場所までは10分くらい。
ちょうどいい時間につきそうだ。
「ねえ、奏多、」
『ん?』
「本祭終わったらデートしようね。」
『どした?急に。』
「なんか言いたくなった。」
『わかった。どこ行きたいか考えといて。』
「うん。」