何やかんややる気を出しそうな芽衣は、私に手を振って追試を受ける教室へ歩いて行った。




「よ!」


「うっす!」




芽衣を見送ったあと、校門で待ってくれていた喜連の下っ端、シュウトのもとへ行く。


今日は龍也が来れないからって、シュウトが来てくれた。


いいって言ったのに、暇だからって一緒に帰ってくれるらしい。




「あの時の芽衣めっちゃ可愛かった。」


「桃さん、芽衣さん大好き人間ですね。」


「まあね。」




どうでもいい会話をして、家までの道を歩く。


シュウトはこのあと、追試にかかっている芽衣のことも迎えに行くのに。


私のことまで送ってくれるなんて本当に…、




「暇なんだね…、」


「やめてくださいよ!」


「嘘嘘。」




本当に友達想いの優しい子だよね。




「それでさ…、「っし!」」


「え?」




私がまた話出そうとすると、真面目な顔で静かにしろと言われた。


言われた通り、口を閉じると遠くから近づいてくるバイクの音。