上靴からローファーに履き替えて、学校横の公園へ向かう。


入り口から中を覗くと、バイクにまたがって携帯をいじっている奏多くんがいた。




「奏多くん!」


「おかえり。」




私に気づくと携帯をポケットにしまって、メットを手渡す。




「行くよ。」


「うん!」




そしていつも通り、バイクは見慣れた道を走って倉庫へついた。




「でね、今日芽衣と授業サボったの!サボるの久しぶりでヒヤヒヤしちゃった。」


「へえ、芽衣バカなのにテスト大丈夫かよ。」


「そう!そうなの。それでね…、」




バイクを停めて、倉庫まで歩く私たちはいつも通りの話をして楽しむ。




「お疲れ様です。」


「桃さんこんにちは。」


「よ!」




入り口にいる下っ端の子たちは、奏多くんに挨拶をして私にまで声をかけてくれる。


差別や人を見下したりしない奏多くんは、下っ端の子達にも十分好かれている。


絶対的な信頼を持っているって、こういうことなんだろう。