それから私たちは授業をする気分にもなれず、午後の授業をすっぽかした。


芽衣と2人になる時間は意外にも久しぶりで、たくさん話し込んだ。




「ねえ、芽衣。」


「んー?」


「好きってさ、難しいよね。」


「なに桃。好きな人できちゃった?」


「うーん…、わかんない。」


「そっか。」




芽衣の一言は、寂しさが混ざっているような声で、たまに見せるその表情が気になった。



キーンコーンカーンコーン



6限目の終わりを告げるチャイムが鳴って、私と芽衣は肩を並べて教室へ戻る。




「あーやーせー!」


「わあ!びっくりした!」




2組の芽衣の教室が手前で、1組の私の教室は1番奥。


教室の前にある階段で、担任の先生が私を待ち構えていた。