私の犠牲になった芽衣。


いつからいたのよ…。



思ったよりも水は多くて、ビショビショになった芽衣は笑っているけど笑えていない。


…ごめん、そんな顔させて。


私は心の中でそう謝って、少し震えている芽衣の手を掴んだ。


そこにいる先輩を無視して、保健室へ向かった。




「ごめんね。」


「いいよ。私いつも桃に守ってもらってばっかりだから。」


「そんなこと…、「いいの。これは私が勝手にしたこと。」」


「芽衣…、」


「龍也と奏多には内緒ね。」




ドライヤーで髪を乾かしながら、芽衣はいつもみたいに笑う。


少しは落ち着いたかな…。




「先生これ帰りまでには乾きますか?」


「そうね。ここに置いておけば乾くよ。」


「じゃ、また帰り取りに来ます。」




芽衣は制服をハンガーにかけて、邪魔にならない場所に掛けた。