「何なんだよ、これ……」




すると、背後から小鳥遊君の震える声が聞こえた。




後ろを振り向くとそこには小鳥遊君と紅斗達がいて、彼らは血相をかいたような顔で駆け寄ってきた。





「紅緒!何があった!?」




紅斗は私の肩を掴むと、体を揺すってくる。





「何で此処に……?」





でも、私の耳には紅斗の言葉が入ってこず、逆に質問を返した。





「凌から連絡があったんだよ。町外れの洋館に行くから後で車で迎えに来てくれって……。でも、これって……」





私の質問に答えくれたのは小鳥遊君で、困惑したように崩れ落ちた洋館の方を見た。





「凌は!?」




羽取さんは周りを見て、寿永隊長の姿を探す。





「寿永隊長は逃げ、遅れました……。私を……逃がす……為に……」





声が震え、頬に涙が伝う。





そう、確信してしまったんだ。





寿永隊長は爆発に巻き込まれ、あの崩れ落ちた洋館の下敷きになってしまったのだと
──。