「寿永隊ちょ──」
重力に逆らうことなく落ちていく私の体。
私は部屋に残っている彼に向かって手を伸ばした。
──と同時に轟音と共に窓ガラスが砕け散り、爆風が部屋の中から吹き出した。
その爆風で私の体は吹き飛ばされ、茂った草むらの中に落ちる。
「っつ……」
草むらに落ちたとはいえ、強く打ち付けたせいで体が痛い。
「っ!寿永隊長!」
私はハッとし、爆発が起きた部屋の方を見た。
そして、言葉を失った。
老朽化が進んでいた洋館が爆発に耐えきれたかったのだろう。
部屋は……、洋館は崩れ去り、瓦礫と化としていた。
「寿永隊長!」
立ち上がって、周りを見渡すと彼の姿を探す。