「仕事が楽しいって事ですっ!!」
「はいはい。あ、そろそろ待ち合わせの時間だ。行くぞ、望月」
私の必死の抵抗も逆効果で、ゲラゲラと笑いながら気が済むまで私をいじり倒した先輩が、腕時計に目を落としてそう言う。
その意地悪っぷりに、思わずその姿を睨み付ける。
「じゃ、一ノ瀬さん、また」
優しく微笑みながら私達の話を聞いていた彼に小さくお辞儀をしてから、エレベーターに向かいだした先輩の後ろについていこうと足を前に出した。
その時。
「頑張れよ」
「――」
「また、後で」
不意に聞こえた小さな声に、ドクンと心臓が跳ねた。
勢いよく後ろを振り返ると、微かに口元に笑みを作った彼が私を見つめていた。
ここ最近、打合せの度に定着しつつある、この約束。
「はいっ!!」
満面の笑みで頷いた私を見て満足そうに一度微笑んだ後、クルリと方向を変えて歩き出した彼。
その背中を見つめながら、ニヤニヤと気持ちの悪い笑みを零す。
そう――。
連絡なんてしなくても、こうやって会える事で私達は繋がっている。
「はいはい。あ、そろそろ待ち合わせの時間だ。行くぞ、望月」
私の必死の抵抗も逆効果で、ゲラゲラと笑いながら気が済むまで私をいじり倒した先輩が、腕時計に目を落としてそう言う。
その意地悪っぷりに、思わずその姿を睨み付ける。
「じゃ、一ノ瀬さん、また」
優しく微笑みながら私達の話を聞いていた彼に小さくお辞儀をしてから、エレベーターに向かいだした先輩の後ろについていこうと足を前に出した。
その時。
「頑張れよ」
「――」
「また、後で」
不意に聞こえた小さな声に、ドクンと心臓が跳ねた。
勢いよく後ろを振り返ると、微かに口元に笑みを作った彼が私を見つめていた。
ここ最近、打合せの度に定着しつつある、この約束。
「はいっ!!」
満面の笑みで頷いた私を見て満足そうに一度微笑んだ後、クルリと方向を変えて歩き出した彼。
その背中を見つめながら、ニヤニヤと気持ちの悪い笑みを零す。
そう――。
連絡なんてしなくても、こうやって会える事で私達は繋がっている。