「まさか、もう一度会えるとはね」


それでも、場の空気を変える様に、どこか真剣な声でそう言った彼。

その姿に、胸が締め付けられて、もう言葉なんて出ない。


心臓が痛い。

息をする事も忘れてしまう。


会いたかった。

会いたくて、会いたくて、堪らなかった。

どれだけ、連絡先を交換しなかった事を後悔しただろう。


「私は」

「――」

「会いたかった。もう一度、会いたかった」


素直な気持ちが零れ落ちる。

同じ気持ちだった事が嬉しくて。

そう思ってくれた事が嬉しくて。


ねぇ。

会いたかったの。

あなたに。


ただ――――。