「――・・・・・・わぁ」


暗かった世界に、灯りが一気に灯った。

色とりどりの灯りが、突然世界を埋め尽くした。


少し離れた所に見える大きなクリスマスツリーのライトが点いたと分かった。

まるで暗かった私の世界に灯りが蘇ったように、目の前が明るくなった。


眩く光る光景に目を細めていた私達だったけど、再び見つめ合って笑い合う。

雨も、いつの間にか止んでいた。


傘は、もういらない。

私達の姿を隠すものは、もういらない。


手を繋いで、抱き合って、キスをして。

もう、誰かの目を気にする事もない。

好きだと伝える事も、もう迷わない。

その代償は計り知れないものだったけど、それでも――。


零れる笑みを添えたまま、綺麗な灯りに照らされる彼を見つめる。

互いに握った手をギュッと繋いだまま。

そして、ゆっくりと口を開いた。