ゆっくりと互いの指先を絡め合う。

それでも、彼の左の薬指には、もう指輪はなかった。

冷たいあのリングは、もうどこにも。

その瞬間、涙の量が増した。


あの人を、不幸にしてしまった。

あの人を、泣かせてしまった。

だけど――。


「会いたかったんだ。ずっと」


瞳を歪めて、愛おしそうに私を見つめてそう言う彼が好き。

どこか不器用で、それでも真っ直ぐなあなたが好き。

2年前と、ちっとも変わらないその姿が好き。

誰よりも、変わらず愛している。


どれだけ時が経っても、どれだけ離れても、忘れる事なんてできなかった。

何度も蓋をしたけれど、この気持ちを消す事はできなかった。


こんなにも愛した人だったから。

壊れてしまいそうなほど、愛した人だったから。

どうしても、私の中から消す事ができなかった。


会いたかった。

会いたくて、堪らなかった。


本当はずっと待っていたの。

心の底で、期待していたの。

いつか、彼が会いに来てくれるんじゃないかって――。