静かな部屋に私のすすり泣く声だけが響く。

思い出したように泣いて、そしてその度に萌が強く抱きしめてくれた。


枯れない涙が頬を流れ続ける。

彼との思い出を思い出す度に胸が締め付けられて、そうして涙が止めどなく流れる。


どれだけ、そうしていただろう。

喉がカラカラになって、頭がボーっとする。

そんな時、私を抱きしめていた腕の力が不意に緩んだ。

されるがまま体を引き離されると、目の前には力強い瞳の萌がいた。

そして――。


「意味のない出会いなんて、ないよ」

「――」

「どんなに悲しくても、辛くても、意味のない出会いなんてない」


力強い瞳が私を射る。

その言葉の意味を考える私に、萌は続けた。