温かいお茶をテーブルの上に置いてから、萌の隣に腰かける。

無意識に出た私の溜息を聞いて、萌が視線をこちらに向けた。


「で。何があったの?」

「え?」

「そんな顔してるのに、何もないなんて言わせないわよ」


どこか怒った顔をした萌から視線を外す。

そんな酷い顔をしているのかと思うと、何故か可笑しくなって自嘲気に笑みを溢した。


微かな沈黙が流れる。

デジャブの様な感覚を覚えて、強く瞳を閉じた。

何度私は、自分の終わりを誰かに告げるんだろう。


――なんだか、もう、どうでもよかった。

自暴自棄になっていると気づいて、なんだか悲しくなった。


「ねぇ、萌」

「ん?」

「前に私が言った事、覚えてる?」

「どんな?」


ゆっくりと瞳を上げて、萌を見つめる。

大きな萌の瞳に虚ろ気な自分が映った時、口を開いた。