「どんな処分も受けます」


自分の声が、自分じゃないみたいだった。

どこか他人事の様で、重みがない。

フワフワと体が浮いている。

きっと虚ろだろう瞳は、映しているものが全て幻の様に見えた。


夢だったら、どれだけよかったか。

目が覚めたら、また彼に会えたらどれだけ幸せか。


「――・・・・・・処分は、追って話す」


私の目も見ないでそう言った部長に小さく頭を下げる。

今まで大きな成績も無ければ、目立った功績もなかった。

どこにでもいる一般職員。

それでも、コツコツ頑張って築いてきた今の私がある。

だけどこの瞬間、そのすべてが崩れた。


信頼も信用も、実績も。

全部、地に落ちた。


誰のせいでもなく、自分のせいなのに。

こうなる事を、予想できなかったわけじゃないのに。

両手に持っていたものが全部落ちてしまった今、涙すら出なかった。