「じゃ、じゃぁ! 私達似てるって事は、一ノ瀬さんも私と同じ様な事考えてるんですよね!」


緩む口元を押さえつつ、目の前の彼にそう問いかける。

見惚れてしまう程、精悍な顔立ちの一ノ瀬さん。

それでも、人懐っこくて、ユーモアがあって、すべてを包み込んでくれるかの様な安心感がある。


「意外に寂しがり屋でしょ!!」

「よくお分かり!」


2人で声を上げて笑う時間が輝いている。

まるで磁石の様に吸い寄せられて、惹かれていく。

途切れる事のない会話が、互いの口から零れていく。


もっともっと彼の事を知りたい。


「確かに望月さんは、すっごく寂しがり屋そう!」

「ちょっと!! 私そんな乙女じゃないですから!」



それでも、楽しい時間程あっという間に過ぎていく。

まるで駆け足の様に、あっという間に。


――だけど。

こんなにも時間が惜しいと思ったのは、始めてだった。