「ふふっ。大きな子供みたい」

「いつも俺も同じ事思ってるけどな」

「え、私の事?」

「そ。抱きついてくる姿を見た時なんか、幼稚園児の父親にでもなった気分だった」


からかったつもりが、からかわれた。

頬を膨らます私を見て、彼がクスリと笑う。


「可愛いよ」

「――」

「そういう所」

「・・・・・・ズルイよ」

「ん?」

「そんな事言われたら、何も言えないじゃん」


『可愛い』なんて久しぶりに言われたから、一気に顔が真っ赤になった。

恥ずかしくて思わず顔を背けると、彼はふっと微かに息の下で笑った。


そして、突然パタリと今度はソファに押し倒された。

私の上に覆いかぶさるようにしている彼。

悪戯っ子の様な笑みを唇にしいて、驚く私の頬を優しく撫でた。