「えっと、あの、相談したい企画の件もありますので・・・・・・えっと、どこかで待たせてもらっても構いませんか!?」

「あ、はい」

「私はどれだけでも待ちますので!」


きっと必死だったと思う。

目の前の彼女の笑顔が少し引きつっていたから。

それでも、この機会を逃すわけにはいかない。

こうでもしないと、会えないのだから。

それに、次いつ会えるかなんて分からない。


だから、会いたいんだ。

どうしても――。





「こちらでお待ちください」


そう言われて通されたのは、小さな待合室。

ご丁寧にも飲み物まで頂いて、目の前に見える夜景を1人ソファに座りながら眺めていた。


さすが一流企業ともなると、小さな気配りすらも一流。

何度もテレビで紹介された事のあるこの会社は、お洒落なカフェからジムや図書館まで併設されている。

まるで高級なマンションみたい。