もっと早くに出会いたかった。なんて、ありきたりな言葉言いたくない。

そんな事言っても、何にもならないから。


それに、もしかしたら今このタイミングで出会ったからこそ恋に堕ちたのかもしれない。

手に入らない人だと分かったからこそ、欲しくなったのかもしれない。

そう思ったら、私はどこまでも汚くて醜くて最低な女なんだと思う。


ゴールのない、この恋。

誰かの不幸の上に成り立っている恋。

人には、決して見つかってはいけない恋。

だから、ハッピーエンドは永遠にやってこない。

別れるという事は、どちらかが飽きたか、会えなくなるか。

涙の未来しか残っていない。


好きな人に、気持ちのまま好きと言えないなんて、おかしいね。

こんなにも近くにいるのに、離れていると思ってしまうのは、どうしてだろうね。

繋いだこの手を、いつかは離さなきゃいけないなんて悲しいね。


それでも。

先が見えないからこそ、傍にいれる今日は、ただ寄り添って笑顔を見ていたい。

想いが言えないのなら、この温もりから感じ取ってほしい。

限られた時間の中で、ただあなたに愛を注ぎたい。


せめて同じ夢を見ていたいと願って、瞳を閉じた。

次はいつ会えるんだろうと、自分の胸に問いかけながら――。