○方程式

彼女はなんとなく
うれしそうだった。

カバンから
メモ帳とペンを
取り出すと。
さらさらと
文字を書いた。

僕+私=100点

「私たちは二人で100点なの」

100点は最高得点で。
越えても少なくても
均衡は保たれないらしい。

会いたいときに
会えない私は-15点と
彼女は書き加えた。

僕+私=85点

彼女は文字で付け加える。

だから
100点になる他の女の子を
見つけてもいいんだからね!
と。

ボクは
メモ帳を差し出した
彼女を見た。

彼女は笑っていた。

彼女らしい
鮮やかな切り口の
別れ話に、
さすがのボクも
気がついた。