○幻覚

秋の空は
どこまでも
澄んでいる。

あの白い雲は
食べたら
絶対に
おいしい。

あれから
彼女はしばらく
学校を
休んでいる。

彼女に会えない
ボクは、
栄養不足の
ミネラル欠乏の
欲求不満児だ。

「よっ」

学校の帰り道、
見慣れた改札口。
ボクの降りる駅に
彼女がいる。

とびっきりの
笑顔の彼女に
ボクのおなかは
あっという間に
いっぱいになる。