思うように働かない頭の中で、必死に自分のことを思い出そうとしていると病室の扉が開いて、数人の医師が入ってきた。


5、6人はいるであろう白衣の医師に圧倒され少し恐怖を感じた。


普段こんな人数の医師に対面する機会なんて中々ない。医療ドラマや映画の中でだけの光景だった。



「これ何本に見える?」



いきなり問われた質問に私は混乱して少しだけ頭が真っ白になる。



「この指何本に見える?」



もう一度問われ、私はやっと一人の医師が目の前に3本の指を出してるのを理解した。