そして、いつも通り駅のT字路を右に曲がろうとした時だった。



「キャァーー!!!捕まえて!泥棒!!」


と言う声と共に、曲がる僕にぶつかりながら。


「痛っ。」


僕が行こうとしてた反対側を全速力で走る黒い大きな男。

一瞬のことで、動揺し。
僕は、尻餅をついてしまった。


その男は、ぐんぐんと走る。


そして、それを追う女子高生……

まるで、スローモーションのようだった。
走りながら倒れた僕を、一瞬見る。







澪だった。