そして、駄々をこねる澪を引きずりながらカフェを出た。
もう、外は真っ暗だった。
いつもの下校道もまた、違って見えた。



「なぁ、澪。」

「なにさ。」



アイツと付き合ってないよな?




「……なんで…今日先に帰ったんだよ。」

聞けなかった。
前を歩く澪がすごく綺麗な笑顔で笑う。


「えーと、お腹空いちゃって。早く家に帰りたかったの!!」


思わぬ答えが返ってきて、
少し拍子抜けした。
でも、至って。澪らしい答えでもあった。


「っぷ。」

「な、なによ!!!」



振り向いて、赤らめる彼女。
やっぱり、可愛い……愛おしい。

やっぱり、好きで好きでどうしようもなくなる。


咄嗟に僕は、澪を後ろから抱きしめていた。


アイツのこと、好きになるなよ。
アイツ、お前のこと好きじゃねーぞ。


絶対…