「お、美味しいです…。」
「そう、それはよかった!街で有名なケーキ屋さんだからね。また今度、おばちゃんに伝えておくね。」
そして、拓実はニッコリと笑った。
しばらくすると、店は混雑してきた。
拓実も僕達だけ構うということが出来なくなってきていた。
「拓実さん、忙しそうですね…」
と澪が食べ終わった食器を少し片付けていた。
僕はずっと無言だった。別にコミュ障とかではなく。ただ単純にコイツと話したくなかっただけだった。
「そうだね、新装してからちょっと人手足りてなくってね……」
と苦笑いする。
ゆっくりしていって。と付け足し、拓実はホールへと出で行った。